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 コロナ禍で未だ制約のある中ですが、少人数で出掛ける分には問題ないと判断、6月度の活動として歩こう会有志仲間4人で好天の中、福島県南会津郡只見町にそびえ立つ標高828mの鋭峰、蒲生岳を登ってきました。蒲生岳は低山ながら険しく尖った山容から「会津のマッターホルン」と呼ばれています。急峻な山ならではの岩場、鎖場のエキサイティングな登降、山頂からの展望はもちろん、山の北壁側に広がるブナの森では木漏れ日の中の森林浴も楽しめました。

2020年6月7日(日)「蒲生岳」参加者 4名


久保登山口駐車場から眺めた「蒲生岳」


目的地の3kmほど手前で車を停め、眺めてみた「蒲生岳」マッターホルンの様に尖っています。

2時間10分ほど車で走り、久保登山口駐車場に到着。早速、登山の支度に掛かります。

駐車場に掲示されている地図を見ながらコースを確認。今回は反時計方向に周回する事にします。

国道252号を少し進み、標識に従って左折、会津蒲生駅の方向へ向かうと登山口がある様です。

会津川口〜只見間が水害の影響で7年ほど不通の只見線、会津蒲生駅横にある踏切を渡ります。

畑地に立つ蒲生岳登山道と書かれた道標で右折、畦道を山側に入って行きます。

林に入り最初に現れる分岐を右の久保登山コースへ進みます。帰りは左から戻る様ですね。

大きなブナの木が出始めた辺りで休憩を入れます。梅雨入り前の晴れの日で良かった〜(^^)

緩やかに登りだしたけれど途中からお助けロープが設置場所された急斜面に変化してきました。

岩が露出して少し広くなった所で2度目の休憩。宇都宮から来た夫婦が後追いで登って来ます。

この山で有名なヒメサユリは未だ咲き残っていてツクバネウツギ、ウラジロヨウラクも一杯。

標高を上げるに従い展望も良くなってきました。只見川を挟んで対面に見えるのは柴倉山。

登っていると久保地区の有線放送スピーカーから「蒲生岳山頂で火災発生」と聞こえてきました。

間断なく火災発生を知らせる放送が南尾根コース登山道に響き渡りますが煙は見えません。

夫婦松を通過していると麓では消防車が更に増えているのか、サイレンと鐘の音が騒がしいです。

大規模な森林火災なら避難ですが、その様な気配はないので平常心で岩場を登って行きます。

二つ目の分岐に到着「鼻毛通し」と名付けられた岩穴も見たいけど、左側の厳しい岩壁コースへ。

岩壁コースは危険らしいけれど足場にはステップが刻まれているので注意しながら慎重に通過。

下の駐車場が良く見える場所に出ると、消防車が11台、ミニパト2台が来ている様に伺えます。

鼻毛通し手前の分岐〜山頂に掛けての岩壁コースは、かなり厳しい登りの連続でした。

岩々した急な登山道を登るのは苦しいけど、久し振りの山は何だかとても気持ちがイイ感じ。

進む方向の樹木も疎らになり、空も大きく見えて来たので、この上が頂上かな?と感じました。
いやいや、山頂まで未だ少し距離がありました。這い蹲る様な姿勢で最後の斜面を登ります。
10時40分頃、登り始めて凡そ1時間50分でパノラマ展望写真の置かれた蒲生岳山頂に到着。

山頂からは視界も広まって良い景色です。右端に見える会津「浅草岳」も何時か登ってみたい山。

今回メンバーは劔岳再訪を目指す有志仲間4人。でも今年行くのはコロナ禍の関係で無理かなぁ。

11時前でお昼には早いけど山頂南側に陣取って景色を眺めながらお弁当を開きました。

下山は北壁コースです。この先が 火災現場の様で消防団の青年が確認のため一人登って来ました。

此処が堆積した木屑や苔の様なものが燻っていた箇所らしい。岩を触ると熱くなっていました。

山頂の北側に出ると東側の視界が開け只見川に架かる橋も良く見えています。中央は鷲が倉山ですね。

只見川・鷲が倉山を右手に見て、少しの間は痩せ尾根の稜線を辿りますが、その先は急峻に。

北壁コース斜面は極めて急な坂が続き、この先は危険で写真を撮る余裕なし…の状況でした。

目の前の虫を手で払おうと思ったら間違えて眼鏡を谷側に叩き落とし拾いに行くハメに(><)

松本さん常備のザイルを借りて崖を3m程の懸垂降下、何とか眼鏡を回収。皆さん迷惑かけゴメン。

この坂を下り切れば厳しかった北壁斜面の急降下も、たぶん終わりだろうと思います。

ブナ大木が多い「ブナ交流広場」に到着したので休憩。まだ全行程距離の半分程が残っています。

ブナ交流広場で見掛けたギンリョウソウの群生。タツノオトシゴの様な形態は面白いですね。

ブナ交流広場からは先程と打って変わって緩やかな下りの歩き易い登山道が結構続きました。

途中、木立が途切れた所の斜面地に腰の高さ程もある大きなワラビの群生地の中を通過します。

「大ミズナラ樹齢300年」の表示板があったので見に行ったけど既に根元が朽ちて倒木した様子。

夏場は冷たい風の吹き出す「風穴」のある場所、昔はお蚕さんを仮保管する場所だった様です。

殆ど水平移動ですが、次々と現れる涸沢の前後はアップダウンの繰り返しになります。

根本辺りから5本に分岐した「五本桜」と名付けられたヤマザクラ? 根張りも立派な株でした。

ロープの設置されている急斜面を下ります。此処が最後に現れた急な箇所でしたかね。

下山完了! 蒲生岳は低山ながら、スリリングな場所もあって、とても楽しい山でした。

駐車場に警察官3人が待ち受け。山林火災の状況を聴取される?と思ったら案の定、聞いてきた〜

下山の北壁コースは見えないけれど登った南尾根コースは何処辺りかな?と見上げる仲間たち。

帰路、道の駅「山口温泉きらら」の日帰り温泉へ寄ってみたら、コロナ問題で休館中でした(泣)

(レポート作成:荒田)
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