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《 歩こう会 10月度・有志会 》


   歩こう会10月度の有志会は、4年ほど前から是非とも行ってみたいと思っていた黒部渓谷にあって、 総延長30km程にも及ぶ「下の廊下〜水平歩道」を3名で縦走してきました。 このコースは残雪がある程度消えて登山道の整備が整う秋の一時期しか通行できず、又、長距離に及ぶ ため健脚者向きで、更に高所にある極めて危険な登山道を歩くので生半可な計画では縦走不可能な場所と 言われています。  今年は10月5日に「黒部ダム〜欅平」間の全ルートが漸く開通したとの情報を踏まえ、天候も見極め た上で実行に移しました。幸いお天気も味方してくれ紅葉真っ盛りの黒部渓谷を二日間にわたり歩いて、 今年一年の山歩きの中でも特に思い出に残る素晴らしいトレッキングができて満足しています。

  2017年10月20日(金) 「下の廊下」 参加者 3名






扇沢で車を回送業者に引き渡し、トロリーバスの乗り場へ向かいます。

トロリーバスは黒部ダムに到着〜 今日は前泊をするだけなので「ロッジくろよん」が目的地。

幾度か来ているけど宿へ行く前に「黒四ダム」を散策・見学しましょうか。

ダム堰堤から下流を俯瞰、観光放流は10/15で終了、下流に明日朝、渡る木橋も見えました。

黒部湖側に架かる長いつり橋「カンパ谷橋」を渡ります。小さな観光船も航行していました。

丁度15時「ロッジくろよん」に到着〜 明日は此処を出発して「下の廊下」へ向かいます。




日が変わり20日朝、5時過ぎにロッジを出発。残念ながら霧雨が降っていますね(泣)

昨日黒四ダムの堰堤から見えた1km程下流にある木橋を先ず渡ります。

黒部川を渡る途中から、黒四ダム方面を眺めると… やっぱりデカイ!

朝の内は弱い霧雨が続き、雨具を着けて歩きます。9時位からは「曇り」の予報ですけれど・・・

前方に見える黒部川左岸に刻まれた登山道を辿りますが、見たところ紅葉は丁度良い時期かも。

此処「下の廊下」は危険個所が一杯らしいです。お互い気を引き締めて行きましょう。

黒四ダムから歩いてきた道を振り返り。この辺り未だ高度感のない登山道が続きます。

至る所で黒部川へ注ぐ沢が流れ込んでいます。飲料水の確保は何処ででもできそう。

内蔵助谷出合を通過しました。振り返ると見事な紅葉に暫し眺め入ってしまいます。

大岩が崩落したのは何時の頃かなぁ? 危険個所は足早に通過した方がイイみたい。

通過中に岩ゴロゴロ〜って云うのは勘弁してね。上側を気にする梅原さん(苦笑)

夢中になって歩き続け2時間半経過していました。空腹を感じ朝飯食べてない事に気付きお弁当。

右手に滝が見え大きい水音が聞こえます。此処が「鳴沢小沢」って場所かぁ、なるほどね〜

いよいよ「下の廊下」って感じかなぁ〜 左手は張り巡らせた「番線(針金)」を掴んで安全に。

前方に上へ伸びているハシゴが見えます。これは残雪時期に雪渓を避けて高巻くルートの様です。

芸術的な造形を見せる雪渓アーチ、今にも崩れて落ちそう・・・

雪渓の塊が目立つようになってきました。標高は然程ないけど、雪渓は巨大で解けないみたい。

素晴らしい景観に中々足が前に進まないよねぇ。後ろに見えるのは「新越の滝」でしょうか?

登山道と川床の高度差が随分増してきましたョ。緊張感を保ちながら、前へ進みます。

4年間温めていた「下の廊下」計画が叶った事に感激、松本さん思わずガッツポーズ!

新越沢二股の辺りでしょうか。先行の二人を入れた写真が撮りたくて、少し遅れて歩きます。

渓谷は左右の崖が迫っているから狭いけど勇壮な景観を見せてくれます。

この辺り、谷底からの高度を感じ下腹がギュッと痛くなるくらい緊張します。

凄いところですね〜 黒部渓谷「下の廊下」に来た事を感じさせてくれる風景。

崩れ落ちた雪渓の塊、凄く大きくて今の季節が秋だなんて信じられないくらいです。

あそこは登山道が崩落しているのでしょうか? 抉れた沢の上を高巻いて通過するみたい。

高巻くハシゴに取り付いて登り、下を見ると凄く怖いです。丸太ハシゴは滑り易いので要注意。

ホッとする暇もなく、断崖絶壁の登山道が次々と待ち受けています。

黒部別山谷の雪渓、此処が難所の様で団体ツアーの方で渋滞しています。

暫し順番待ちのあと、我らパーティも続いて岩を登ります。このロープは助かりますね。

雪渓に取り付くハシゴは10/5に設置されたとの事、登山道を整備する関係者に感謝です。

雪渓箇所は団体さんが「お先へどうぞ」と譲ってくれました。我らは難なく通過してきたけど…

この辺りが「半月峡」と呼ばれる所。素晴らしい景観を楽しませてくれる黒部渓谷。

丸太で組まれた橋はこわーい。岩を穿って作られた登山道、ヘルメット着用は必須です。

絶景の続く白竜峡が見渡せる場所に来た様です。此処は随分高い位置に登山道があります。

三脚立て進行方向背景に3人揃ってセルフ撮影。足滑らせると其の侭、あの世行き(苦笑)

日差しも感じる様になったし、この場所は対岸と谷間の紅葉が見事でした。

滝の天然シャワーを浴びる場所、この手前で雨具を再度着込んで滝の水を潜りました。

12時前「十字峡」到着〜 お湯を沸かし、お昼のカップ麺。遅れて到着の団体さんは行動食らしい。

30分ほどの昼食休憩中に団体さんが又、先行。その後を追い、我々も吊り橋を渡ります。

十字峡は剱沢、棒小屋沢が合流し、黒部川本流と合わせて十字を形作る場所とのこと。

この辺り一帯が「半月峡」と呼ばれる場所かな? 絶壁に立つ松本さん、カッコイイわ〜(笑)

手前で女性を含む5人のパーティに道を譲り後を追いますが、彼ら若いだけに速いですねぇ。

見下ろすと此処が「S字峡」ですね。確かに黒部川がS字状にうねうね蛇行しています。

やがて黒部川下流の前方に黒四発電所の送電線を取り出す施設が見えてきます。

この「東谷吊橋」距離があって長いです。自身の体重が掛かるとフワフワ揺れるし結構怖い〜

1940年に完成の「仙人谷ダム」に漸く到着〜 岩盤が166℃に達した「高熱隧道」は有名。

仙人谷ダム側から眺めた「三枚滝」こりゃ凄い! 滝の辺り、少しガスっていたのは残念。

高熱隧道じゃないけれど、ダム施設内の通路は硫黄臭と熱気もありカメラのレンズが曇ります。

仙人ダムから権現峠への登り返しが辛かった…平坦路の先を下れば「阿曽原温泉小屋」の筈。

急な斜面を下り「阿曽原温泉小屋」には15時頃に到着〜 女性スタッフが迎えてくれました。

指定された4号室、定員12名に24名寝ます。布団1枚に二人って女性ハイカー可哀そう…

小屋の下側にある阿曽原温泉、何はともあれ露天温泉に浸かり疲れを癒しました。

夕飯はカレーライスとコロッケ・野菜サラダ等。明日は3時起床で「水平歩道」に挑みます。






21日の朝3時40分、阿曽原温泉小屋を出発、10時頃「欅平」発トロッコ列車を目指します。

小屋を出てから2時間が経過するも未だ真っ暗、ヘッドライト点けて「水平歩道」を歩みます。

5時40分頃、漸く明るくなってきた頃に通過した砂防ダムは下側がトンネルの通路でした。

1920年、水力発電所建設調査に向け岩を削り開通させたと云う「水平歩道」はホント凄い。

よくもまぁ、断崖絶壁にこんな道を作ったものだと思いました。下の黒部川まで数百メートル位?

高所に加え、頭上の岩が与える威圧感もあるので凄く恐ろしいと感じさせる登山道です。

「水平歩道」と云っても多少の勾配はあります。それでも殆ど水平移動で脚の負担はラクですね。

6時40分頃に「大太鼓展望所」を通過します。登山コース中、此処が一番怖かったかも・・・

回り込んで前を行く仲間達の姿を見守るだけでもヒヤヒヤ・ドキドキ〜

水平歩道の下を覗くとクラクラ眩暈しそうです。(勿論、シッカリ番線を握っていますから大丈夫)

行く先を見渡すと、これから辿る予定の水平歩道が延々続いているのが見えています。

志合谷にある手掘りトンネル、此処は踝まで水位もあり、ヘッドライトなしでは絶対に通れないね。

洞窟探検している気分、断崖絶壁より安全かな。でも油断しているとヘルメットを擦ります。

又、手掘らしい「蜆谷トンネル」がありました。このトンネルは然程長くなかったような…

水平歩道の始・終点表示板を見つけ、あぁ終わっちゃった…残念と云う思いと安心感が混在です。

以前「欅平駅」に来た時、気付かなかったけど、ビジターセンター左側が登山道入り口でした。

総延長距離30kmの難コース踏破を済ませ下山。一緒に歩いた仲間とまずまずの天気に感謝。

10時1分発のトロッコ電車が入線してきます。凡そ1時間20分で宇奈月温泉へ到着予定。
費用は嵩むけど車の回送はとっても便利ですね〜 宇奈月温泉の駐車場に車は届いていました。

夏ではないけど冷や汗掻いた?から、宇奈月温泉の日帰り温泉「湯めどころ」で汗を流します。

入浴後、近くの食事処で富山名産の昼飯にします。この「白エビかき揚げ丼」は美味かった〜

帰りルートは新潟のホテルで後泊を予定。途中、歴史を訪ねて「春日山神社」に立ち寄りました。

この春日山神社は上杉謙信公を祭神に祀った場所、無事の下山に感謝して参拝しました。

黒部で疲れた脚を引きずり春日山山頂の本丸跡へ。直江津の街が見下ろせる好展望な場所でした。

夕刻5時過ぎ新潟駅近くのホテルに到着、駅傍の居酒屋「日本海庄屋」で、お疲れさま〜乾杯!

反省会と名打った飲み会の後、〆にラーメン食べてからホテルへ戻り、明日は栃木へ帰ります。

(レポート作成:荒田)
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