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平成23年1月13日掲載 |
健康に過ごす生活〜睡眠〜 「睡眠時間はどのくらいの長さが良いでしょうか」、睡眠の話題になると必ずこの質問がでてきます。現状、色々な人が色々な回答をしています。 1日の3分の1である8時間が望ましいという意見は、時に神話のように語られます。睡眠時間と健康との関係について、研究成果がたくさん発表されています。共通して言えるのは7時間睡眠の人々の健康が最も良かったことです。この結果に基づいて、7時間が最善という説があります。 もっと過激な例では眠りは短ければ短いほど良いと、短時間睡眠が推奨されたりもしています。この考えによれば、睡眠を削ると起きている時間が増え、その質も高まり素晴らしい人生を送れるそうです。本当でしょうか。 睡眠時間を考える時、年代によって必要な時間は異なると言う視点が大事になります。乳幼児から、学生、社会人、高齢者にかけて生活も心身も一変します。このような変化を無視して「○時間が最適」と決めるのは意味が有りません。成人以降では、どの調査を見てもほぼ90%の対象者が6〜8時間という範囲で睡眠をとっています。睡眠時間は日々変わることも考えれば、この範囲の中でどの長さが最も望ましいかは一概には決められないでしょう。 残念なことは、睡眠は他の活動の二の次にされてしまいがちです。働く世代ではまさにそうでしょう。日本の労働時間の長さは世界でもトップクラスです。しかも、睡眠に最も適した時間帯である夜間に眠れないような働き方は年々増えています。こうした状況ではなにより睡眠時間が短くなります。実際、わが国の労働者の40%は睡眠時間が6時間に達していません。 睡眠が多少減ったとしても大きな問題はないと考える方が多いかもしれません、ですが実はそうでは有りません。6時間に満たないような短い睡眠は、高血圧、糖尿病、肥満など生活習慣病をおこしやすくさせることが分かっています。さらに、早死にの可能性すら指摘されています。 健康面ばかりでなく、数時間の睡眠不足を幾晩も続けると簡単な作業であってもミスは増えていくことが確かめられています。つまり、睡眠不足の「ツケ」はたまるわけです、徹夜とは違って一晩当たりに削られる睡眠の量は小さいので、自覚的にはそれほど眠く感じません。このズレが事態の修正を遅らせるのかも知れません。 睡眠不足が1週間続いた場合、その間に低下した作業能力が完全に回復するには、同じく1週間を要することも分かってきました。結局、睡眠は1晩1晩が勝負です、睡眠不足が気の付かないうちにふくらみ、病気や事故という形はぜひ避けたいものです。 ◎ 加齢による睡眠の変化 年をとるにつれて睡眠の状態が変わった、と感じる方は有りませんか?「熟睡できない」「夜中に何度も目が覚める」「以前より早寝早起きである」、このような変化は、加齢が原因である場合があります。 高齢になると、消費するエネルギーが少なくなり睡眠の必要量も減ってきます。また、体温の変化やホルモン分泌の変化によって、寝つきにくくなります。 他にも、頻尿になったり、日中の刺激が少なく昼寝が多くなることで、夜中に目が覚めやすくなる場合もあります。 ◎ 睡眠はどれくらい必要か 1日に必要な睡眠時間には個人差があります、年齢だけでなく身体状況や季節などによっても変動します。時間にとらわれず気持ちよく起きられて、生活に支障がない状態であれば、よい睡眠がとれていると考えられます。8時間眠らなければ、等、気にしすぎないことも大切です。 ◎ 良い睡眠の目安 ・睡眠を意識せずいられる。 ・前の日の疲れが残らない。 ・日中元気よく活動できる。 ◎ 気持ちよく睡眠をとる工夫 ・眠ろうとこだわらないーーーー眠くなったら床に就くくらいの気持ちでいる。 ・眠るまでのリラックス時間ーーーー 寝る1時間くらい前には自然にくつろぐ、音楽を聴いたり、ストレッチをするなど。 ・ぬるめのお湯でゆったり入浴ーーーー体温を適度にあげることでねむりやすくなる。 ・寝る前に食べないーーーー 胃腸が活動していると眠りの質が低下する、寝る2〜3時間前までに食事は済ませておく。 ・昼間に適度な運動をするーーーー 自分にあった適度な運動をする、1日1万歩あるくなど昼間に活動することが夜の睡眠につな がる。 以上 |