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令和5年5月16日
出展:下野新聞社

JR矢板駅前から「SHARP」消える 設置から半世紀以上の大看板

「シャープの企業城下町」の象徴だったJR矢板駅西口前の「SHARP」の大看板の撤去工事が始まり、文字部分が15日、取り外された。 「また一つシャープというものが消える」と市民らは複雑な心境をのぞかせ、撤去を惜しんでいる。

                   (トップ写真)

シャープ(大阪府堺市)の東京駐在広報担当者によると、看板は早川町に栃木工場が開設された年と同じ1968年に設置された。高さ3・5メートル、幅20メートルで、駅利用者や市民に長年、シャープの存在をアピールしてきた。しかし経年劣化したため大規模改修するか撤去か社内で議論した末、工場跡の売却を予定していることなど「現状を考慮」して撤去を決めたという。
 工場創設時に大阪本社から転任した元社員で元市議岩村博(いわむらひろし)さん(82)=東町=は約20年前まで月3、4回の出張帰りに矢板駅で降りるたび「看板を見ると戻ってきたとほっとした」と振り返る。  2018年、同社の顔ともいえるテレビの生産を同工場で終えた際、寂しい思いをしただけに岩村さんは「こういう形でだんだんシャープの存在が薄れていくのは悲しい」と話した。
 看板の設置場所の貸主であるタクシー会社、矢板ツーリング社長高柳真知子(たかやなぎまちこ)さん(74)は、シャープ関連の乗降者で駅前がにぎわった往時に思いを巡らせつつ「市民も恩恵を受けた。看板があるから身近だったが…」と寂しがった。
 市によると、シャープは工場跡の売却予定地22・3ヘクタールについて、引き合い企業との売却交渉を進めているとみられる。
                      以 上

 
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