平成25年2日8日掲載

 小パーティートレッキングは、「初心者向き・一般向き」コースの開拓、下見、と会員有志による「健脚向き」夏山トレッキング等であります。 季節に適した自然を求めての活動故、その都度天気予報をもとに、参加者との連携を密にして随時実施した概要をスナップ写真で紹介します。





 奥日光の女峰山中腹に位置する雲竜渓谷への雪上トレッキングを実施しました。

 雲竜渓谷では、厳冬期の数週間だけ高さ30mにも達する巨大な氷柱が連なる「氷の神殿」が現れます。

渓谷の最深部にある「雲竜瀑」では、高さが100mにも達する滝が完全に凍結し、訪れる者を圧倒する氷瀑が見られます。

厳冬期の雲竜渓谷は一部のクライマーのみに 知られていた秘境の地でしたが、近年山岳専門 誌で紹介されたことにより広く知られ、数年前 より多くの人々が訪れる人気の地となりました。


     ◇ 雲竜瀑を背景に 参加者:6名


☆行 程

 ◇往 路:矢板発(5:30)⇒今市⇒日光市街⇒東照宮東側林道⇒林道駐車場(6:20)

 ◇トレッキング:6:40〜14:10 (林道入り口⇔雲竜渓谷 往復コース)

 ◇復 路:林道駐車場(14:20)⇒日光市街⇒今市「かたくりの湯」⇒矢板着(16:30)


※ 経験の無い未知のコースでした。登山者用の駐車場は有りません。工事事業所横の空き地や、
  林道入り口ゲート横の空き地、林道路肩などに20台程度の駐車が可能です。
  厳冬期の林道は凍結している箇所が多々あり路幅も狭く要注意です。
  4WDのRV車が最適です。


☆トレッキングコース

 ◇稲荷川沿い林道入り口⇔雲竜渓谷 往復コース

  ・歩行時間:約6時間30分  ・歩行数:26000歩


 雲竜渓谷トレッキングについて掲載されているガイドブックも無く、情報はインターネット上で紹介されている「山行記録」のみでした。 コースの難易度の確認、厳冬期の雪上トレッキングの装備の準備が一番の課題でした。 コースを完踏する為には、「10本爪以上のアイゼン」「ストック2本」「ヘルメット」「厳冬期の服装」等が必須になります。又午後は氷の凍結が緩み、落氷の危険があるので午前中に凍結地を通過することが望まれます。


 ◇トレッキング順路

 @林道駐車場(6:40)
   ↓
 A林道入り口ゲート(7:00)
   ↓
 B稲荷川展望台(8:00)
   ↓
 C洞門岩(8:30)
   ↓
 D雲竜渓谷入り口(9:30)
   ↓
 E雲竜渓谷(雲竜瀑)(10:30)
   ↓ (〜11:20 昼食)
 D雲竜渓谷入り口(12:00)
   ↓
 C洞門岩(12:50)
   ↓
 B稲荷川展望台(13:10)
   ↓
 A林道入り口ゲート(13:50)
   ↓
 @林道駐車場(14:10)


★ 下記写真は拡大版も見られます。

駐車場 林道入り口 登山者用の案内板

 早朝6時30分、林道入り口ゲートより500m手前の駐車場に到着しました。 まだ周囲が暗い中で準備を整えトレッキングスタート、20分程歩くと林道入り口のゲートに到着します。入り口横には登山、ハイカーに対する林道歩行の注意看板が設置してあります。


積雪の林道 林道より見た女峰山連峰 稲荷川展望台

 積雪の林道を雲竜渓谷を目指し歩きました。林道からは雪に覆われた女峰山連峰が展望できます。快晴の快適な雪道を約1時間歩くと、日向砂防ダムを望む「稲荷川展望台」に到着です。ここで一休みです。


日向砂防ダム 山腹にも砂防工事有り 土砂に覆われた稲荷川

 林道と並行して流れる稲荷川は土砂に覆われています。至る所に砂防ダムが設けられています。数多くの砂防ダムを建設する為に造られた林道が雲竜渓谷まで続いています。


洞門岩標識 アイゼン装着中  雪上トレッキング準備完了

 渓流入り口へ向かう洞門岩に到着、林道入り口よりの所要時間1時間30分でした。 安全な歩行の為、アイゼンを装着、ヘルメットを被りいよいよ雪と氷の渓流部のトレッイング開始です。


渓流を渡る 渓流横の崖道を進む  雲竜渓谷入り口に到着

 渓流部に降りると、そこは雪と氷と水の世界でした。川を渡り、川横の崖道を辿り進みました。特に川を渡るときは細心の注意が必要です。氷点下の気温の中で川に落ちたら大変です。 1時間ほど悪戦苦闘して渓谷部を進むと、遂に目的地の「雲竜渓谷」入り口に到着しました。


30m級の巨大な氷壁

 雲竜渓谷に歩を進めると、まず右岸に30m級の巨大な氷壁が出現しました。多数のハイカーが真下で写真撮影をしています。足元の雪の下は川が凍結した氷です。相当の厚さがあるので割れる心配は有りません。


断崖を埋め尽くす氷柱群

 更に進むと、槍のように尖鋭な氷柱が断崖を埋め尽くしています。 雲竜渓谷の一番の見所、「氷の神殿」です。氷柱の真下に入る為にはアイゼン、へルメットの装着が絶対に必要です。


氷柱の真下 氷柱の中「氷の神殿」 槍のような氷柱

 一番の見所「氷の神殿」の中に進入しました。周り一面は崩落した氷柱が氾濫しています。危険を感じて足早に外へ脱出しました。 槍の穂先の様な氷柱が下がっています。これが崩落して体に当たれば大変なことになります。真下には絶対に近付かない様にしましょう。


氷橋の落とし穴 雪の急斜面 最深部への斜面登攀

 最終目的地「雲竜瀑」へと向かいます。川を渡るルートは凍結した氷橋です。足を踏み抜いた痕跡が有ります。 雲竜瀑へ続くルートは雪と氷の急斜面です。ここでもアイゼンの装着は絶対条件です。一歩、一歩踏みしめて急斜面を登りました。


「氷の神殿」より見た「雲竜瀑」 全体凍結した「雲竜瀑」

 雲竜渓谷最深部に聳える落差100mにも及ぶ「雲竜瀑」です。見る者を圧倒する巨大な氷瀑です。 往復7時間にも及ぶ雪上トレッキングを完登した者だけが見ることの出来る真に厳冬期の絶景です。



「雲竜瀑」の最下部


「雲竜瀑」にて昼食

 遂に最終目的地の「雲竜瀑」に到着です。所要時間3時間50分でした。 登山者と比べると滝壺に相当する最下部の巨大さが判ります。登れる限界点で写真撮影をしました。 昼食はおにぎりと温かいカップ麺です。厳冬期はこの暖かさが堪りません。


帰路の林道 積雪の林道  晴天に映える赤薙山

 雲竜渓谷の氷瀑を満喫した後、帰路に就きました。帰路は往路とは違う林道コースを選択しました。 約30分程の遠回りになりますが、疲れた体には歩き易い林道は楽でした。林道コースからは晴天に映える赤薙山の美しい山容も見えました。


林道入り口に到着 駐車場に到着  温泉で一杯

 林道入り口ゲートに到着、最後の力を振り絞り駐車場へと向かいました。駐車場に到着、総所要時間7時間30分(休憩、昼食込)でした。・・・お疲れ様でした。 帰路には恒例の温泉(今市かたくりの湯)に入浴です。入浴後の一杯は格別でした。・・・



■雲竜渓谷トレッキングに必須の装備

・10本爪以上のアイゼン ・ヘルメット ・ストック 及び厳冬期の服装


トレッキング後記 

 今回、初めての厳冬期の雪上トレッキングを実施ました。 晴天にも恵まれ、又参加者全員の周到な事前の準備もあり、無事に予定の通りの行程を完踏出来ました。 コースの誤認などの小さなトラブルは有りましたが、雲竜渓谷の氷瀑を堪能できた有志例会でした。
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